命のサイン帳

02.102015

この記事は4分で読めます

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いつもお読みいただき、ありがとうございます。

ゆっきーです。

 

今日はディズニーランドのスタッフのお話です。

 

「サイン帳の落とし物はないですか??」

 

インフォメーションセンターに
ひとりのお父さんが元気なく入ってきました。

 

落としたサイン帳の中身を聴くと、
息子さんがミッキーやミニーに一生懸命に集めた
サインがあともう少しでサイン帳一杯になるところだったそうです。

 

でも、残念ながらインフォメーションセンターには、
サイン帳は届けられていませんでした。

 

(ちなみにディズニーランドで落とし物をした際には、
一括してインフォメーションセンターに届けられます。

ボクの話ですが、ベビーカーに乗っていた息子が
サンダルを落としたときも、すぐに発見してくれ、
インフォメーションセンターに届けてくれました)

 

キャストはサイン帳の特徴を詳しく聴いて、
あちこちのキャストに連絡を取ってみました。

 

しかし、見かけたキャストは誰一人としていませんでした

 

「お客様、申し訳ございません。
まだ見つからないようです。
お客様はいつまで滞在されていますか??」

 

と伺ったところ、お父さんが言うには、
2日後のお昼には帰らなければならないとのこと。

 

「手分けして探しますので、2日後、お帰りになる前に
もう一度インフォメーションセンターに立ち寄っていただけますか??」

 

と笑顔で声をかけたそうです。

 

そして、お父さんが帰られた後も、
細かな部署に電話をかけて聴いてみたり、
自分の足で探しにも行ったそうです。

 

ところが、どうしても見つけ出すことができず、
約束の2日後を迎えてしまいました。

 

 

さて、ひとつ質問です。

もし、あなたがキャストでしたら、
どのような対応を取られますか??

 

10秒ほど考えてから、
次をお読みください。

 

ボクは最初にこの話を聴いたとき、

 

「見つけることができませんでした。
申し訳ございません」

 

と素直に謝ることしか思い浮かびませんでした。

 

でも、そのキャストが取った行動は違いました。

 

「見つけることができませんでした。
申し訳ございません」

 

謝るところまでは同じでしたが、

次の一言が付け加えられていました。

 

「代わりにこちらのサイン帳をお持ちください」

 

それは、その落としたサイン帳と全く同じサイン帳を
自分で買って、いろんな部署を回って、全てのキャラクターの
サインを書いてもらったものを手渡したんです。

 

お父さんがビックリして、喜ばれたのは
言うまでもありません。

 

…と、この話はここで終わりません。

 

後日、ディズニーランドにこのお父さんから、
一通のお手紙が届きました。

 

先日は「サイン帳」の件、ありがとうございました。

 

実は連れていた息子は脳腫瘍で、
「いつ死んでしまうか分からない」…そんな状態のときでした。

 

息子は物心ついたときから、テレビを見ては、

「パパ、ディズニーランドに連れて行ってね」
「ディズニーランドに行こうね」

と毎日のように言っていました。

 

「もしかしたら、約束を果たせないかもしれない」
…そんなときでした。

 

「どうしても息子をディズニーランドに連れていってあげたい」
と思い、命があと数日で終わってしまうかもしれないときに、
無理を承知で、息子をディズニーランドへ連れて行きました。

 

その息子が夢にまで見ていた
大切な「サイン帳」を落としてしまったのです。

 

あのご用意いただいたサイン帳を息子に渡すと、
「パパ、あったんだね!パパ、ありがとう!」
と言って大喜びしました。

 

そう言いながら息子は数日前に、息を引き取りました。

 

死ぬ直前まで息子はそのサイン帳を眺めては、

「パパ、ディズニーランド楽しかったね!ありがとう!
また行こうね」

と言いながら、サイン帳を胸に抱えたまま、
永遠の眠りにつきました。

 

もし、あなたがあの時、
あのサイン帳を用意してくださらなかったら、
息子はこんなにも安らかな眠りにつけなかったと思います

 

私は息子は「ディズニーランドの星」に
なったと思っています。

 

あなたのおかげです。

本当にありがとうございました。

 

…手紙を読んだキャストは、
その場で泣き崩れたそうです。

 

もちろん、その男の子が亡くなった悲しみもあったと思いますが、

「あの時に精一杯のことをしておいて、本当に良かった」

という安堵の涙だったと思うんです。

 

このキャストは、人の人生を変える仕事をしました。

 

ボクも一児の父親。
息子が亡くなるなんて考えたくもありません。

 

でも、その子が最後笑顔で亡くなっていくのと、

「あのサイン帳、どこに行っちゃったんだろうね…」

と悲しみながら亡くなっていくのとでは、
全然違います。

 

もし、あの「サイン帳」がなかったら、お父さんとお母さんは

「なんでサイン帳を亡くしてしまったんだ」
「自分がちゃんと持っていれば、こんなことにはならなかった」
「あのサイン帳があれば…」

と、一生悔やんでいたかもしれません。

 

それをこのスタッフの機知により、
お父さんとお母さんはどれだけ救われたか…。
間違いなく、今後の2人の人生を変えています。

 

この話を聴いて思うんです。

 

このキャストは、ディズニーで働いていたから、こうした行動が
取れたのではなく、いつでも、どんな時でも、誰に対しても、
自分ができる精一杯を捧げられる人なんだろうなって。

 

ボクは精一杯探して、見つからなかったら、
謝ることで誠意を分かってもらおうという考えでした。

 

この話を聴いて、
自分の考えの足りなさを思い知らされました。

 

このキャストだって、暇じゃないはずです。

 

サインを集めるのだって、勤務時間と別の時間を使って、
集めたんだと思うんです。

 

ただただ、【お客様が喜んでくれる顔が見たいから】。

 

この気持ちが、キャストの心を突き動かし、
行動させたんだと思います。

 

ディズニーで働くキャストがイキイキとしているのは、
お客様の喜びが自分の喜びと一致しているからなんでしょうね。

 

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